導入｜ラットは「すぐ懐く子」ばかりではない
ラットは賢く、人に懐きやすい動物として紹介されることが多いですが、
実際には性格差が非常に大きい動物です。
迎えたばかりのラットが、
- 触らせてくれない
- すぐ隠れる
- 噛もうとする
といった行動を見せても、それは珍しいことではありません。
本記事では、
「なぜそうなるのか」と
「どう慣らせばよいか」を現実的に解説します。
—
ラットの性格を理解するための基本知識
ラットの性格は生まれと環境の両方で決まる
ラットの性格には、
- 生まれ持った気質
- ショップ・ブリーダーでの扱われ方
- 迎えた後の環境
が大きく影響します。
「慣れない＝失敗」ではなく、
その子の個性として捉えることが重要です。
よくある性格タイプの例
- 好奇心旺盛で人に寄ってくるタイプ
- 慎重で距離を保つタイプ
- 臆病で環境変化に弱いタイプ
どのタイプも「問題」ではありません。
—
慣らしがうまくいかない原因
環境変化によるストレス
迎えた直後のラットは、
- 住環境の変化
- 匂い・音の違い
に強いストレスを感じています。
この時期に無理に触ろうとすると、
「人＝怖い存在」と学習されてしまいます。
飼い主側の「早く慣れてほしい」という焦り
初心者が最もやりがちな失敗が、
- 初日から触ろうとする
- 抱っこを急ぐ
ことです。
—
段階別｜ラットを慣らす現実的ステップ
ステップ①：まずは「安全な環境」を作る
慣らしの第一歩は、触ることではありません。
- 隠れ家を用意する
- 掃除や配置換えを最小限にする
「ここは安全だ」と感じてもらうことが最優先です。
ステップ②：人の存在に慣れてもらう
- ケージのそばで静かに過ごす
- 声をかける
触らなくても、十分なコミュニケーションになります。
ステップ③：おやつを使った距離の縮め方
手からおやつを与えるのは有効ですが、
- 無理に近づけない
- 食べたらすぐ引いてOK
「逃げられる余地」を残すのがポイントです。
ステップ④：短時間の接触から始める
自分から近づいてくるようになったら、
- 背中に軽く触れる
- すぐ手を離す
この「成功体験」を積み重ねます。
—
慣らし中にやってはいけないこと
無理に抱っこする
捕まえる行為は、捕食者の動きに近く、
恐怖心を強めやすいです。
叱る・大声を出す
ラットは理由を理解できません。
恐怖だけが残ります。
環境を頻繁に変える
慣らし期間中は、
「安定」が何より重要です。
—
多頭飼い・一人暮らしの場合の慣らし方の考え方
多頭飼いでは「先住ラット」を活用する
先住ラットが人に慣れている場合、
新入りはそれを見て学習します。
一人暮らしでは「時間を味方にする」
無理に一気に距離を縮める必要はありません。
—
まとめ｜慣らしの正解は「その子のペースに合わせること」
ラットの慣らしで大切なのは、
- 比べない
- 急がない
- 成功体験を積む
この3点です。
「今日はケージから顔を出してくれた」
そんな小さな変化を積み重ねていくことで、
信頼関係は自然と育っていきます。
