「チャンスは、変な顔をしてやってくる」を読んで思ったこと

雑記帳
スポンサーリンク

エイベックス会長・松浦勝人氏のnote第3弾「チャンスは、変な顔をしてやってくる」を読んだ。「僕には友達がいない」に続く投稿で、こちらもTogetterでまとめられ、大きな反響を呼んでいる。

正直なところ、タイトルを見た瞬間は「よくある成功譚だろう」と思っていた。チャンスを掴んだ人が、あとから振り返って綺麗にまとめる話。そういうものは世の中に山ほどある。でも、読み始めてすぐに違うと分かった。冒頭に出てくるのが「不採用」だったからだ。成功譚の主人公は、普通そこで終わる。今日は、このnoteを読んで感じたことを、私見としてまとめておきたい。

スポンサーリンク

チャンスは、悪い知らせの顔でやってくる

記事の核はこうだ。チャンスはチャンスの顔をしてやってこない。むしろ、地味で、ひどい顔をしてやってくる。松浦さんの場合、それは時給430円のバイトの不採用だった。断られた店に、頼まれてもいないのに毎日通い続け、無理やり仲間に入り込む。そこから今のエイベックスが始まっている。

この時点で、もう普通の成功譚ではない。断られた瞬間に諦めていたら、何も始まっていない。実際にやってみると分かるが、断られたあとにもう一度動くというのは、思っている以上に体力がいる。プライドが邪魔をする。でも松浦さんは、そのプライドをあっさり手放しているように見える。

つぶれかけの店が、最高の学校になった

入り込んだ店は、毎月100万円の赤字だった。ここも面白い。チャンスは、赤字という顔をしてやってきた。オーナーが体を壊して大学生3人に店を丸ごと任せたあと、松浦さんは週2万円の仕入れ代を握って渋谷まで通い、独自のベストテンを作り、ライバル店の前に座り込んで交通量調査用のカウンターで客数を数えた。数字から入会金という弱点を見つけ、本部と交渉して押し切る。

この一連の流れを読んで、思ったことがある。同じ店に立っていても、見えている景色は人によってまるで違う、という部分だ。「うちの会社にはチャンスがない」と言う人は、たぶんどこへ行っても同じことを言う――ここは強く頷いた。場所の問題ではなく、見方の問題なのだ。

あとで武器になるものは、その時は武器の顔をしていない

ここが、僕が一番強く同意した部分だ。松浦さんは当時、レコードの片隅に書いてあるプロデューサーやコンポーザーのクレジットを、何千枚も読み込んでいたという。インターネットがない時代の話だ。一円にもならない。資格にもならない。ただの変な癖。ところが何年か後、イタリアで仕事をすることになったとき、その「無駄な知識」が誰も持っていない武器になった。

ここだけの話、僕にも似たような経験がある。

2004年から2008年まで、大学生の頃、ゲームソフトショップでアルバイトをしていた。仕事の中心は、店頭に置くポップを書くことだった。年間を通して、毎週毎週新しいソフトが発売される。RPG、格闘ゲーム、アクション、シミュレーション。ジャンルを問わず、ほぼ全てのタイトルに対してポップを作っていく。新作が入荷するたびに、手描きでキャッチコピーとあらすじを書く。数にすれば、相当な量になる。当時はただの店頭作業だと思っていた。時給も普通のバイト代だった。

でも、今振り返ると違う。あの4年間で、パソコンを使っていろんな書類やポップを作るという作業を、毎週欠かさず繰り返していた。限られたスペースに、ソフトの魅力を短い文章でまとめる。レイアウトを考える。締め切りまでに仕上げる。この積み重ねが、今の自分の、コンテンツ制作の基礎になっている。ジャンルの違うゲームを何百本も扱った経験も、今、複数ジャンルのWordPressサイトを並行して運営していることと、無関係ではないと思っている。

それだけじゃない。本業のITの仕事でも、資料作りは日常茶飯事だ。企画書、提案書、報告書。限られた分量で要点を伝え、読み手に一目で理解してもらう、というスキルは、あの頃、毎週ポップと向き合っていた経験がそのまま生きている気がする。副業と本業、まったく畑違いに見えて、根っこは同じところにあった。

当時の自分に「その経験、20年後に仕事の土台になるよ」と言っても、絶対に信じなかっただろう。松浦さんの言う通り、武器はその時、武器の顔をしていない。あなたにも、当時は何の役にも立たないと思っていたのに、今の自分を支えている経験はないだろうか。

情報の時間差と、扉が開く一瞬

記事の後半は、情報格差と即決の話に移る。海外の業界誌を読んでいた話。湾岸戦争直後、みんなが出張を控えた見本市に一人で乗り込み、テクノの権利をまとめて買った話。小室哲哉氏との初対面で、根拠もなく「絶対、かっこよくします」と即答した話。

どれも共通しているのは、準備が先にあって、決断はあとから帳尻を合わせているという点だ。「半年早く知っていることは、才能と同じ働きをする」という一文がある。実際にやってみると、これは情報の量よりも、面倒くさがらずに調べるかどうかの差だと分かる。今はインターネットがあって誰でも同じ情報にアクセスできるのに、それでも差がつく理由は、結局ここにあるのだと思う。

反響を見て感じたこと

Togetterの反響を見ると、堀江貴文氏をはじめ、経営者層からの共感コメントが多い。中でも印象的だったのは、ある経営者が「お金・友達・チャンス」という3本のnoteをまとめて読み、全部同じところにつながっていると指摘していたことだ。会社が大きくなるほど、金を持つほど慎重になり、偉くなるほど自分を疑い、反対してくれる人を残す必要がある――という読み解きは、松浦さんの3本を貫くテーマを的確に言い当てていると思う。

ここでも、批判的な意見はほとんど見当たらなかった。「これは全員読んだ方がいい」という声が並ぶ。前回の記事と同じ現象だ。

おわりに

「チャンスは、変な顔をしてやってくる」は、成功者の武勇伝ではなく、無駄に見える努力を積み重ねた人間の記録だと思う。不採用、赤字、戦争、断り文句。どれも、その瞬間は嫌な出来事にしか見えない。でも、あとから振り返ると、それが全部、今につながっている。

僕自身も、ポップを書いていたあの4年間を、当時は何とも思っていなかった。今になって、あれが副業のコンテンツ制作にも、本業の資料作りにも、両方の土台だったと気づく。目の前にある地味な作業や、役に立たなそうな経験を、もう少し面白がってみてもいいのかもしれない。そう思わせてくれる記事だった。

まだ読んでいない方は、ぜひ一度、元のnoteを読んでみてほしい。「チャンスは、変な顔をしてやってくる」(松浦勝人氏note)

スポンサーリンク
雑記帳
シェアする
Heywaをフォローする
タイトルとURLをコピーしました